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2019年10月07日

映画『JOKER』感想

 釣行記をまとめるブログのはずだが、その本来のあり方はとうに失われつつある。
 その本来のあり方、釣行記は近々、別の機会にアップするとして、今日は最近観た映画『JOKER』の感想をまとめてみたい。

 そもそも、なぜ久しぶりの記事が映画鑑賞の話なのかと言うと、それくらい本作が良かったからに他ならない。
 個人的には、この『JOKER』という作品は、間違いなく歴史に名を残す作品だと思う。
 
 この作品を観たときに、まず気になったのが重低音が響き渡り、まるで心が軋み、崩壊していくかのような不安になるようなテーマ曲。このいたるところで繰り返し流れる音楽が、主人公・アーサーの心情をよく現しているし、観ている側を作品の中に引き込む。ここがまず素晴らしかった。

 もう一つ気になったこと、それは「階段」。サスペンス映画の巨匠、A・ヒッチコック作品をご存知の方ならわかると思うが、映画において、「階段」を登るとだいたいろくなことがない。それを知っているからか、映画のなかで「階段」が出てくると不安になる。

 この作品を2回観て気付いたことがある。
 主人公・アーサーがアーサーであるうちは、「階段」を登るばかりで、決して下りない。
 「階段」を下りるとき・・・そうそれは、アーサーでなくなるときである。

 アーサーからジョーカーになって、たった一度だけ「階段」を登るシーンがある。これははっきり言って意味がわからなかった。作品序盤では、「意図的に」エレベーターで上に昇るシーンさえ描いており(しかもわかりやすく途中で停める演出まで入れている)、変化以降は、すべてカットして「登る/昇る」演出を排しているのに、なぜか、ジョーカーは勢いで階段を駆け上る。
 ジョーカーとして、悪のヒーローとなり、スターダムを駆け上がる伏線なのかもしれないが、なぜかこのシーンだけ腑に落ちなかった。

 終盤、ジョーカーが引き金となり起きた暴動でゴッサムの街が炎と煙で包まれる。そんな街をパトカーの中から眺めるジョーカー・・・
 ここで流れるCreamの『White Room』。この瞬間、この映画の素晴らしさが確信に変わる。何十年も前の曲だが、まさにこの作品の、この瞬間のためにあるかのような絶妙な選曲。最高以外の何ものでもない。

 人の心理がどうとか、社会の構造がどうとか、世相を反映してとか、難しいことはわからない。
 ただ、アーサーのように人はどんな急な「階段」でも、たとえどんなに辛かろうが、登る。なぜ登るのか。登りきった先に目的地が、夢があるから、そう信じているからだろう。実際、苦難・困難という辛い階段を登りきった先には夢や成功といった結果があるのは間違いない。ただ、現実にはすべての人が、そうなるとは限らない。「階段を転げ落ちる」の言葉どおり、心が折れ、挫折する者がいるのが現実である。
 ただ、アーサーがそうした人たちと違ったのは、階段を登りきり、その行為が悲劇だと感じた途端、その逆、つまり、階段を下りることこそ「喜劇」であると気付いたことだ。
 だからこそ彼は、Gary Glitterの『Rock'n roll part 2』に合わせてノリノリで階段を下りてくる。
 彼が「JOKER」たる由縁がそこにある。



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